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映画『教皇選挙』を見る前に知っておきたい! 4つのポイント【背景知識・配信情報】

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この記事は、映画『教皇選挙』をこれから見る方へ向けたものになります。
映画の結末や、重大な展開には触れていません。

映画『教皇選挙』は、バチカンのシスティーナ礼拝堂で繰り広げられる、「コンクラーベ(教皇を決める選挙)」を描いた、重厚かつ緊張感あふれる物語です。
本作は第97回アカデミー賞で脚色賞を受賞し、大きな話題となりました。
2025年は現実のバチカンでもフランシスコ教皇の逝去という歴史的な出来事があり、一時は映画館での再上映が行われるほどの注目を集めましたが、現在はAmazonプライムビデオなどの配信でじっくり楽しめるようになっています。

監督やキャストの詳細は公式サイトに譲るとして、この記事では『ここを知っているかどうかで、映画の面白さが2倍変わる!』という4つのポイントに絞って解説しています。
豆知識を知った上で、映画『教皇選挙』を楽しんでもらえたら嬉しいです!

【映画『教皇選挙』作品情報】

  • 監督: エドワード・ベルガー
  • 主演: レイフ・ファインズ
  • あらすじ: 教皇の急逝により、世界中から枢機卿が集結。次の教皇を選出するためにコンクラーベ(教皇選挙)が始まるが、候補者たちの隠された野心と罪、そして秘密が、次々と明らかになっていく……

→『教皇選挙』公式サイトはこちら

目次

おすすめの映画、『教皇選挙』|ミステリーが好きな方へ

とても上質なミステリーで、すごく面白かったです。
鑑賞後は興奮して、コンクラーベや教皇のこと、カトリックのことについて、持てる知識をフル動員し、一緒に見に行った友人と感想を話し合いました。

すごく面白い映画なのは確かなのですが、「コンクラーベのこと」や「カトリックとプロテスタントの違い」をなんとなくでも知っている、という前提があるとないとでは、映画の楽しみ方が全然違ってくる気がします。

この面白い映画を、たくさんの人におすすめしたい。
これを知っていたら、もっと楽しめるはず!

より深く映画を楽しむためのミニ知識として、4つのポイントを紹介します。

映画『教皇選挙』を見る前に知っておきたい4つのポイント

コンクラーベとは? 密室で行われる「教皇選び」の儀式

コンクラーベと聞いて、日本語の「根比べ」を思い浮かべる人がいるかもしれませんね。
これはダジャレですが、あながち間違いでもないかもしれません。

コンクラーベとは、教皇を選ぶ選挙。
「鍵をかける」が語源の言葉で、その通り、鍵をかけられ、外に出られない状態で行われる儀式になります。
ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂、ミケランジェロの荘厳で美しい天井画の下で繰り広げられる、とても根気と気力の必要な選挙です。

外部との連絡が完全に断たれた状態で、世界中から集まった枢機卿たちが、新しい教皇を選ぶ。
全体の3分の2以上の支持を得た人が選ばれるのですが、1人の枢機卿への票数が3分の2に到達するまで、何度も何度も繰り返し、選挙が行われるのです。
まさに、根比べ。

カトリックの総本山で行われる、新教皇を決める選挙なので、世界中が注目しています。
選挙の結果は、投票用紙を燃やした煙の色で知らされます。
黒い煙は「決まらなかった」、白い煙は「教皇決定」。

白い煙が立ち上るのを見た人々が歓声を上げる、そんなシーンをテレビで見たことがあるかもしれません。
私はヨハネ・パウロ2世が亡くなったあとのコンクラーベで、煙が上がるところを中継で見た記憶があります。
もちろん、この映画でも見られますので、楽しみにしていてください。

神父と牧師ってどう違う? カトリックとプロテスタントの違いとは

映画に登場する、「神父」や「枢機卿」は、カトリックの聖職者です。
一方で、「牧師」と呼ばれる人たちは、プロテスタントの教会にいます。
カトリックとプロテスタントは同じキリスト教ですが、制度や考え方に違いがあります。

神父は儀式や懺悔などで信者と深く関わる存在です。
神父様に罪の告白(懺悔)をする、というシーンを、映画やドラマで見たことがあるかと思います。
あの小部屋の奥にいる人が、神父です。

牧師は説教を通じて聖書の教えを伝えています。
カトリックは戒律に厳しく、伝統を重んじ、かっちりとした聖職者制度(階級制度)があります。
プロテスタントは、そんな厳しいカトリックから分かれた宗派なので、そこまでじゃないです。

ちなみに、日本の結婚式場の教会風建物で、新郎新婦に誓いの言葉を促す、聖職者っぽい人がいますよね。
あれは、分類するなら「牧師」になりますが、本物ではなく、スタッフがそれっぽい服装をしているだけのことが多いです。
カトリックの神父が日本の結婚式場で結婚に立ち会う、ということは、基本的にはありません。
結婚は、カトリックにおいては「教会の中で、神の前での秘蹟」として扱われるので、演出としての結婚式などもってのほか、かもしれないです。

つまり、この映画の主な登場人物たちは、厳しい階級制度に縛られている人たちである、とも言えます。

カトリックの総本山に女性はいない? シスターとは?

シスターとは、カトリックにおける修道女のことを指します。
神への信仰を持ち、神に仕える女性のことですね。

カトリックの教会や学校で、シスターの姿を見かけることはよくあります。
だから、カトリックに女性は存在するのですが、彼女たちは司祭などの役職に就くことはできません。
カトリックの教義と長い伝統によって、司祭や枢機卿、そして教皇には、男性しか就けないことになっているのです。

この映画にも、シスターと呼ばれる人たちが出てきます。
彼女たちの動きに注目しながら鑑賞すると、より物語を楽しめるんじゃないかと思います。

教皇名は自分で決める? その名前に込められた意味

新教皇に選ばれた枢機卿は、自分で自分の「教皇名」を決めることができます。
大抵は功績を残したり、有名だったりする過去の教皇や聖職者の名前を選んで名乗ることになります。
どんな名前を選ぶかで、その人の信仰や、これから教会がどの方向を目指すのかが、伺えたりします。

たとえば、「フランシスコ」という名前は、貧しい人の味方として知られる聖フランシスコにちなんだものです。
この名前を選んだことから、「清貧」や「平和」、「弱者へのまなざし」といった価値観を大切にしたいと考えていることを、世界に示すことができるのです。

教皇に選ばれた人が、どんな名前を選ぶのか。
選んだその名前には、どんな意味があるのか。

映画を見終わったあとに、その名前をきっと調べたくなるでしょう。

ミステリーとしての、『教皇選挙』

この映画は、ミステリー映画だと思います。
謎を解く、謎が解き明かされるのが、ミステリーです。

かすかな違和感や、疑念。
どういうこと? と感じたり、そうだったのか、と思ったり。
そういった伏線の積み重ねの果てに、明らかになる真実。

初見では、え、どういうこと? と思うかもしれません。
だけど、あとからじわじわと、とんでもない真実が明かされたということに、気が付くんじゃないかと思います。

そうか、そういうことか、と思ったら、もう1回見たくなる。
そして2回目の鑑賞では、伏線の細やかさと回収の鮮やかさに、あらためて驚愕することになります。

『教皇選挙』、上質のミステリーとして、おすすめです。
また、原則非公開のコンクラーベの様子や、現代におけるカトリックのさまざまな事情を知ることができるなど、いろいろな方向から楽しめる映画になっています。
登場人物の心の動きや、行動の変化、表情に込められた意味など、考察しがいのある面白い内容です。

極上のミステリーを、ぜひ味わってみてください!

 

『教皇選挙』がamazonプライム・ビデオにて、独占配信開始!

2025年7月30日より、amazonプライム・ビデオにて、『教皇選挙』(字幕版・吹替版)の配信が始まりました。
プライム・ビデオでの独占配信です。

この機会に、ぜひご覧になってください!
本当におすすめです。

 


教皇選挙(字幕/吹替)

あわせて読みたい:映画『教皇選挙』をより深く楽しむために【まとめ記事あり】

【まずは基本情報を知りたい方へのまとめ】
→「映画『教皇選挙』完全ガイド【総まとめ】」はこちら
(どんな映画なのか、みどころは何かを知りたい方向けの、まとめ記事です)

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【映画をより深く楽しむために】
→「映画『教皇選挙』の舞台、バチカンの思い出」はこちら
(3度にわたって現地を訪れた際の回想記。バチカンで撮影した写真や、『教皇選挙』と重なるような体験について綴っている訪問記です。)

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1作目が最高にして至高です!
このジャケットに使われている後ろ姿のシルエット、最高ですよね。

悪魔祓いもの映画のおすすめ作品その2『ヴァチカンのエクソシスト』

実際に存在する、ヴァチカン公認のエクソシストの実体験を元にした作品です。
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見ていると何故か、頑張れ! 負けるな! と手に汗を握って応援したくなる。
真面目に悪魔祓いを扱っているけれど、最高に楽しいエンターティンメント作品です。
あと、バディものが好きな人に大プッシュします。
激推しです!

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