この記事は、映画『爆弾』をこれから見る方へ向けた紹介&ちょこっと感想です。
佐藤二朗さんの「怪演」を見逃すな！
ただの中年男が、取調室で刑事たちを翻弄し、東京中を恐怖に陥れる！？
取調室という密室の中での、騙し合いのような会話劇と、現場で奔走する捜査員たち。
緊迫感にあふれる傑作を、ネタバレなしで紹介&みどころを解説します。
予告や公式サイトでわかる程度の展開には触れていますが、映画の結末や重大な展開には触れていません。
「この映画、気になっているけどどうしよう？」と迷っている方の背中を押せれば嬉しいです！
映画『爆弾』の基本情報｜キャスト・監督・主題歌
『爆弾』（2025年10月31日公開／日本）
原作：呉勝浩『爆弾』講談社文庫
監督：永井聡
脚本：八津弘幸、山浦雅大
企画・プロデューサー：岡田翔太
音楽：Yaffle
主題歌：「I AM HERO」宮本浩次
キャスト：山田裕貴、伊藤沙莉、染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、片岡千之助、中田青渚、加藤雅也、正名僕蔵、夏川結衣、渡部篤郎、佐藤二朗、ほか
上映時間：137分
配給：ワーナー・ブラザース映画
→映画『爆弾』の公式サイトはこちら
※上映館（劇場情報）は、公式サイトの「THEATERS」ページから確認できます！
映画『爆弾』の予告はこちら
映画『爆弾』あらすじ｜冴えない中年男が仕掛ける「死のゲーム」
酔っぱらって自動販売機を壊し、店員を殴ったことで逮捕された中年男・スズキタゴサク（佐藤二朗）。
取調室での挙動と言動に不審なところがあるスズキを、担当刑事・等々力（染谷将太）は訝しむ。
そもそも「スズキタゴサク」という名前からして偽名なのではないかと、追求を続けていると、スズキは突然「私は霊感があるんです」と話し始める。
「私は等々力さんが気に入ったので、あなたの役に立ちます。霊感で事件が起こるのを教えてあげます」
その通りに爆発事件が起こり、さらにスズキが連続爆破事件になることをほのめかしていることを、等々力は上司に報告する。
捜査本部が立ち上がり、警視庁捜査一課から清宮刑事（渡部篤郎）と類家刑事（山田裕貴）も参加することになる。
スズキの取り調べを等々力から引き継いだ清宮は、事件に関する質問に対してのらりくらりととらえどころのない返答をするスズキと会話をすることで、次の事件が「いつ」「どこで」起こるのかを聞き出そうと試みるが……
『爆弾』のネタバレなし感想｜極上の会話劇！ 取調室での心理戦に痺れる
面白かった！
連続爆破事件の犯人と目される謎の男・スズキ（佐藤二朗）と、警察側のやりとりがとても面白いです。
スズキが事件のヒントを「謎かけ」のような形で出してくるので、それを警察側が必死に解こうとする、という構図が面白いし、謎かけの内容も面白い。
私は謎解きとか脱出ゲームが好きなので、「謎を解いて事件を未然に防ごうとする」「謎を解くことで事件を解決させようとする」というシチュエーションにすごく興奮しました。
その「謎」も、多重構造になっているというか、最初に見えていたものとは全然違う形で真相が浮かび上がってくるようになっていて、その点でも大興奮。
スズキは取調室の中にいて、そこでの会話がメインとなっているので、「取調室の中」という限定されたワンシチュエーションものでもあります。
ワンシチュエーションものは大抵会話劇になるので、この作品も会話劇の側面が強く、そこも非常に好みでした。
ワンシチュエーションでの会話劇、大好きなんですよね。
取調室という、狭い空間で繰り広げられる会話劇。
スズキが仕掛ける謎解きに、踊らされないように自制しながら挑む刑事たち。
この、スズキの相手をする刑事が、状況が悪化していくにつれ変わっていくというのも、なんだかバトルものみたいで面白かったです。
こいつ（スズキ）強いぞ！？ となって、対戦相手も強い人に変わっていく。
さあどうなる！？ とハラハラドキドキできて、とても面白い作品でした。
映画『爆弾』がもっと面白くなる！ 注目すべき5つのみどころ
佐藤二朗が演じる「スズキタゴサク」の圧倒的な不気味さ
それは「みどころ」なのか？ と思うかもしれませんが、胸を張って断言します。
みどころです。
この気持ち悪さ、うさんくささ、一筋縄ではいかない相手であると刑事たちが認識をあらためていく過程を、ぜひぜひ見てほしいです。
命懸けの「謎解き」の緊張感
何気ない会話、意味のなさそうな述懐。
そこに散りばめられている「ヒント」を、「ヒント」だと見抜けるか？
「すべての言葉と行動に意味がある」と思いながらスクリーンを見つめ続ける緊張感、ぜひ味わってほしいです。
スズキに翻弄される捜査官たちの個性と豪華キャスト
スズキと対峙する刑事さんたち、等々力さん、清宮さん、類家さん。
現場で走り回る警察官たち。
それぞれに個性があり、思惑があり、ドラマがあって、それが複雑に絡み合っているところも面白いです。
予告でクローズアップされている類家さん（山田裕貴）や、普段は交番勤務だけど事件に深く関わることになる倖田巡査（伊藤沙莉）の奮闘に、釘付けになること受け合いです。
多重構造の謎が解けた瞬間の「爽快感」
謎解きが好きな人なら、この爽快感を味わいたいと思うはず。
一緒になって考えるもよし、「そうだったのか！」と驚くのもよし。
多重構造になっている謎が明かされ、事件の全容が明らかになっていくのを、ぜひ見守ってください。
すべてが繋がる「エウレカ（発見）」体験
一見ばらばらに見える事象がすべて繋がったときのエウレカ体験。
世の中の真実に気がついた、求めていた答えを見つけた。
そういうときに「エウレカ（ユリイカ、ユーリカ）！」と叫ぶ姿を映画やドラマで見たことがある方は多いのではないでしょうか。
この作品で描かれる事件も、全容が明らかになったときに「そういうことだったのか！」という「発見」気分を味わえます。
そういう「発見」を楽しみたい方におすすめです。
まとめ｜映画『爆弾』は原作未読でも楽しめる！ 上映時間もあっという間
東京を舞台に仕掛けられた連続爆破テロ。
事件を予言するのは、取調室にいる冴えない中年男、スズキタゴサク。
スズキの言葉は「妄想」か、それとも「真実」なのか？
命懸けのクイズに挑む刑事たちの焦燥感と、現場の捜査官たちの奔走。
スクリーンを通して伝わってくる狂気を、ぜひ映画館の音響と暗闇の中で体感してほしいです。
上映時間は137分！ でも体感はあっという間
映画を見る前に気になるのが、上映時間です。
「137分」と聞くと、少し長めに感じるかもしれませんね。
安心してください。
実際に見てみると、次から次へと展開が変わるノンストップ・ミステリーなので、本当にあっという間です。
「長い」と感じる暇もないほど、スクリーンに釘付けになるはずです。
一回見ただけでは、人間関係や事件の時系列などが、ぱっと把握できないかもしれません。
でも、ノープロブレムです。
映画『爆弾』は、細部まで把握できなかったとしても、十分にハラハラドキドキできて楽しめるエンターテインメント作品です。
私も、「だいたいわかったけど、ここだけよくわからん……」と思うところがあるのですが、だからこそ原作小説を読もう、と思いましたし、もう一回見に行きたいな、と思いました。
「なるほど！ わからん！」となったとしても、何が起こってどうなったのか、については把握できますし、謎として提示されたものはちゃんと解かれます。
「結局どういうことなんだってばよ？」と思うところがあるなら、もう一回見にいいけばいいんです。
二回目の鑑賞は、「あーここでこうなってたから、こうなのか！」ということがわかるようになるので、さらに楽しめると思います。
まずは一回、映画館で鑑賞してみませんか？
映画『爆弾』、ぜひ映画館でご覧になってみてください。
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