【現在公開中】鈴木愛理主演・映画『ただいまって言える場所』のネタバレなし紹介記事を更新しました!

【映画紹介】鈴木愛理主演『ただいまって言える場所』ネタバレなし感想|「学校に行きたくない」想いに寄り添う居場所の物語

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「学校に行きたくない」

映画『ただいまって言える場所』は、そう思ったことがあるすべての人に、そっと寄り添ってくれる作品です。
鈴木愛理さん単独初主演作が描く「居場所」の在り方には、勇気をもらえます。

本記事では、かつて「学校に行きたくない」子供だった人、そして「職場に行きたくない」と思っている人に、優しく響くこの作品の魅力を、ネタバレなしで紹介しています。
この記事が、この映画を見るきっかけになれば嬉しいです。

目次

映画『ただいまって言える場所』|作品情報・スタッフ・キャスト

『ただいまって言える場所』(2026年1月23日公開/日本)
監督:塚本連平
脚本:伊藤彰汰
音楽:haruka nakamura
主題歌:鈴木愛理「ただいまの魔法」(作詞:鈴木愛理/作曲・編曲:清塚信也)
キャスト:鈴木愛理、川口真奈、伊藤歩、山中崇、六角慎司、吉田ウーロン太、高山璃子、桜まゆみ、酒井敏也、尾美としのり、大塚寧々、ほか
上映時間:97分
制作:ホリプロ
配給:ホリプロ

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映画『ただいまって言える場所』のあらすじ|自分が「ありのまま」でいられる場所とは?

中学教師のえりこ(鈴木愛理)は実家で母・百合子(大塚寧々)と二人暮らしをしているが、生活費を納めることもなければ家事もしないため、百合子から「子供部屋おばさん」と揶揄されてしまう。
自分は「子供部屋おばさん」だと開き直るえりこだったが、生活費を納めるように強く言われ、趣味のBL漫画を泣く泣くフリマサイトに出品する。
その漫画を購入した「ちー」という人物と意気投合し、BL漫画や日常についてのやりとりを交わすようになるが、実は「ちー」はえりこのクラスの不登校の生徒、千花(川口真奈)だった。

その事実に気づくことなく、2人はやりとりを重ねていく。
SNSでは楽しく過ごしているえりこだったが、千花が不登校になったのはいじめのせいではないか、それを学校が隠蔽しているのではないかと詰め寄る千花の母・円香(伊藤歩)に罵声を浴びせられたり、教頭(尾美としのり)からネチネチと注意を受けたりしており、教師ながらも「学校に行きたくない」という気持ちを抱えることになる。

「学校に行きたくない」という共通した気持ちを持っているえりこと千花は、お互いの正体は知らないまま、SNSでどんどん仲良くなっていく。
しかし現実での「不登校」をめぐる事態は深刻度を増していき……

『ただいまって言える場所』の感想|「学校に行きたくない」という気持ちや「ありのまま」を否定しない優しさ

「学校に行きたくない」という気持ちへの共感

えりこは「教師として」学校に行きたくないと思っているし、千花は「生徒として」学校に行きたくないと思っています。

その気持ち、とてもよくわかります。
私は「不登校」になったことこそありませんが、小学校〜高校の12年間、常に「学校に行きたくない」という気持ちを抱えていました。

転校が多かったため、学校になかなか馴染めなかったこと。
ちょっとした方言の違いなどで、からかわれたり、いじめられたりしたこと。

当時は「何があっても登校しなければならない」という周囲の圧力が強く、また自分自身「一度休んだら、もう二度と学校へは行けなくなるだろう」という確信があったため、頑張って休まず通っていました。
子供である私も、「学校へは行かなくてはならない」と思っていたんですね。

小・中学校では、学校に行ったら絶対に授業に出席しなければなりませんでしたが、高校になると、当時は自由に行けた屋上や、その時間に使われていない特別教室などで、1人になることができました。

そのころ、不登校気味だった友人たちは、よく保健室へ行っていましたが、私はなぜか養護教諭に「仮病でしょ!? 授業に行きなさい!」と保健室を追い出される子供だったので、保健室に行くことができませんでした。
なので、自分で隠れ場所を見つけ出して、そこで本を読んだり、ぼーっとしたりしていました。

こう書くと「孤独」を感じていたのかと思うかもしれませんが、私が1人になっているときに感じていたのは、「解放」と「自由」です。
何から解放されていたのかはよくわかりませんが、この「学校にはいるけれど、1人になれる時間」がとても心地よかったのを覚えています。

えりこが学校に行きたくない気持ち、千花が学校に行きたくない気持ち。
それは各個人それぞれのものなので、共感できるところもあれば、できないところもあります。
全部理解することはできなくても、「ああ、それわかる」「そういうふうに思ったことある」と、何か一つは共感できるんじゃないかと思います。

なにより、「学校に行きたくない」という気持ちを、ありのままに受け入れてもらえていると感じるところが、とても優しくてよかったです。

「BL漫画が好き」という趣味を特別視しない、フラットな描き方の心地よさ

見ていて「へえー」と思ったのは、えりこと千花が愛する「BL漫画」や、そういうものが好きな「腐女子」という属性に対して、説明やレッテル貼りが一切ないまま物語が進んでいくところです。

かつては、それが特殊な趣味として扱われたり、自分で自分を「腐っている女子」と自称して卑下したり、無理解な外野にからかわれたり……ということがあったのではないかと思います。
本作では、それがごく自然な「個人の趣味・嗜好」として描かれていました。

「どんなものを好きでもいい」
「好きなものを、好きなままでいい」

そんなふうに肯定してくれるところに、今の時代ならではの「寄り添う」姿勢が感じられました。

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ここが見どころ!『ただいまって言える場所』注目ポイント4点

俳優・鈴木愛理の「等身大」の魅力が詰まった単独初主演作

本作は、歌手・俳優・モデルと多方面で活躍している鈴木愛理さんの、単独初主演映画です。

彼女が演じる主人公・えりこは、母親に「子供部屋おばさん」と揶揄されるくらい、家事をせず生活費を納めることもなく、親に世話される子供のように過ごしています。

ある意味ズボラな、だけど「親の前だと私もこんな感じになってるかも」と感じさせる、等身大の姿。
教師として生徒や保護者と真剣に向き合おうとするも、学校という組織の一員としての板挟みに苦しむ姿。
そして、趣味のBL漫画の話をしているときのはっちゃけた姿。

対面する相手によってくるくる変わるえりこの表情は、とても魅力的です。

だらしないところもあるけれど、何事にも一生懸命。
そんなえりこの魅力を最大限に引き出している、鈴木愛理さんの瑞々しい演技は必見です。

鈴木愛理作詞の主題歌「ただいまの魔法」がもたらす余韻

エンドロールで流れる主題歌「ただいまの魔法」は、鈴木愛理さん本人が作詞を手掛け、歌唱も担当しています。
作曲・編曲はピアノ奏者の清塚信也さん。
この映画のテーマを、そのまま音楽にしたような、優しさに満ちた楽曲です。

えりことしての鈴木愛理さんを見てきたあとに、この「歌声」を聴くと、彼女の持つ表現力の幅広さが心に染み入ります。

透明感のある歌声と、本人作詞の歌詞が、そっと背中を押してくれる。
物語を見終わったあとの心を、優しく包み込んでくれるのです。
まさに「魔法」のような歌声は、映画館の音響で味わってほしいポイントです。

「現実」と「匿名SNS」での、逆転した人間関係

「現実」では、えりこは不登校の千花の担任教師で、千花の両親からは不登校の責任の所在を責め立てられる立場です。
千花と話をしたいと訴えても、教師を信頼していない両親が立ちはだかります。

千花は千花で、担任であるえりこに不登校の理由を告げるつもりはありません。
つまり、この2人の関係はある意味「断絶」してしまっているのです。

だけど、匿名の「SNS」では、えりこと千花は好きなもので繋がっている対等な「親友」です。
「現実」では親にも友達にも話せないことを、2人は「SNS」でなら話すことができるのです。

そういう意味では、「SNS」にいるときのほうが、より正直に、ありのままでいられるのかもしれません。
でもそれは、あくまでも「匿名」だから。
見も知らぬ相手だからこそ、話せているという側面があるのです。

「現実」での立場の違いや、関係性とは裏腹に、「SNS」で親友になった2人。

この関係は続くのか?
それとも、どこかで破綻してしまうのか?
「現実」と、匿名だからこそ成立した「SNS」での関係が、交わることはあるのだろうか?

2人の「友情」がどうなるのか、その行方を見守ってみてください。

「サードプレイス」だけではなく、元々の居場所を「帰れる場所」へ

よく、「家庭や学校(職場)以外の第三の居場所」として、「サードプレイスを作ろう」と言われます。

家庭や学校での居場所がなくなっても、たとえば「趣味の集まり」などの別のコミュニティに属していれば、そこへ行くことができる。
安心できる場所をもう一つ作ろう、ということですね。

本作での、えりこと千花のサードプレイスは、「好きなBL漫画の話を思いっきりできるSNS」でした。
辛い「現実」から、安心できる「SNS」へ逃げ込めば、心の安寧は得られます。

だけど、この作品は、そこからさらに一歩を踏み出そうとしています。

逃げ出してしまうことになった「家庭」や「学校(職場)」を、「安全基地」にしよう。
元々は「安全基地」だったはずの場所を、本来の姿に戻そう。

それが実現できたら、最高ですよね。

その一歩がどのように描かれるのか、ぜひ見届けてほしいと思います。

『ただいまって言える場所』まとめ|自分の「居場所」へ帰るための「ただいま」の魔法

映画『ただいまって言える場所』は、「不登校」や「居場所」の問題を、「乗り越える」「克服する」という作品ではありません。
日々の生活の中で誰もが感じる、「どこにも行きたくない」「1人になりたい」「放っておいてほしい」という切実な本音を、ありのままに受け入れ、解き放ってくれる物語です。

最近は「逃げてもいい」とよく言われますし、私もそう思いますが、逃げ続けた先には何があるのでしょうか。

えりこと千花がSNSという「サードプレイス」を見つけ、そこに逃げ込んだあとに、どんな行動をしたのか。
逃げるだけではなく、「現実」を安全なものにするにはどうすればいいのか。

2人がそれぞれに踏み出した一歩からは、かつて子供だった大人に、そしてもちろん子供たちにも、勇気を与えてもらえます。

物語に勇気をもらったあとに映画館に響く鈴木愛理さんの歌声は、私たちの気持ちを軽くしてくれます。
「ただいま」と言える場所に帰ろう、そういう場所を作っていこう。
ぜひ映画館で、その勇気と優しさに触れてみてください。

あわせて読みたい:『ミーツ・ザ・ワールド』自分の「好き」を大切にしたいあなたへ

本記事でご紹介した『ただいまって言える場所』は、今の自分をありのままに受け入れてくれるような、静かな優しさに満ちた作品でした。
もし、本作の「好きなものを、好きなままでいい」という肯定感に心が動いたなら、こちらの映画もきっと心に響くはずです。

趣味を隠して「普通の人」の仮面をかぶって生きる息苦しさと、そこから一歩踏み出し、世界と出会っていく物語。
本作とはまた違ったアプローチで、私たちの「居場所」と「愛」について問いかけてくれる作品です。

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