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【映画紹介】『1ST KISS ファーストキス』感想(ネタバレなし)|やり直すチャンスは出会いの日!?「冷凍餃子」から始まるタイムトラベル

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「あの時、ああしていれば」という後悔を、もしタイムトラベルでやり直せるとしたら?

映画『1ST KISS ファーストキス』は、塚原あゆ子監督と脚本家・坂元裕二さんがタッグを組んだ、切なくもどこかユーモラスな物語です。
離婚寸前だった夫・駈(松村北斗)との突然の別れに直面したカンナ(松たか子)が、ひょんなことから二人が初めて出会った15年前の過去へとタイムトラベルを繰り返すことになります。

カンナが過去に戻るきっかけは、「焦がしてしまった冷凍餃子を焼く前に戻りたい」という、ぶっ飛んだものだった!?

この記事では、そんなカンナの魅力や、トライ&エラーの先に見えてくる本当の想いについて、ネタバレなしで紹介しています。
この記事を読むことで、この映画を見る背中を押すことができたら嬉しいです。

→鑑賞後の感想や考察記事はこちら

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目次

映画『1ST KISS ファーストキス』の基本情報|監督・脚本・キャスト

『1ST KISS ファーストキス』(2025年2月7日公開/日本)
監督:塚原あゆ子
脚本:坂元裕二
音楽・主題歌(作曲・編曲):岩崎太整
エンディングテーマ(主題歌):「next to you」(作詞・歌唱:優河)
出演(キャスト):松たか子、松村北斗、吉岡里帆、森七菜、ほか

→映画『1ST KISS ファーストキス』の公式サイトはこちら

『1ST KISS ファーストキス』のあらすじ|どんな話か一言で言い表せない!?

結婚して15年になるすずりカンナ(松たか子)と、夫のかける(松村北斗)との仲は冷え切っていた。
仕事の帰りに離婚届を提出するはずだった日に、駈は役所に行く前に事故に遭い、死んでしまう。

離婚届が出されなかったため、カンナは旧姓の高畑たかばたけに戻ることなく、日々を過ごしていく。駈がいなくなったことで、カンナの生活と部屋はどんどん荒れてしまう。

そんなある日、3年間待っていた人気通販の冷凍餃子が届く。
3年越しでようやく届いた餃子を焼き始めたカンナだったが、不注意で焦げ付かせて台無しにしてしまう。

餃子を焼く前に戻りたい、やり直したい。
そう強く思いながら車を運転していたカンナは、トンネルの天井崩落事故に巻き込まれそうになる。
慌ててアクセルを踏み込み、トンネルを猛スピードで通り抜けるカンナ。

トンネルを抜けた先で車を停め、カンナが周囲を見回すと、どこか懐かしい風景が広がっていた。
そこは、カンナと駈が初めて出会った場所であり、そして“2人が初めて出会った日”だった……

映画『1ST KISS』ネタバレなし感想|松たか子と松村北斗の掛け合いが楽しい

松たか子が演じるカンナの魅力:悲壮感のない「カラッとした」キャラクター

タイムトラベルものの醍醐味である「トライ&エラーを繰り返し、“より良い現在”を得ようとする」のが面白かったのはもちろん、カンナ役の松たか子さんの演技がすごくよかったです。

なんかすごく、カラッとしている。

カンナという女性が、もともとそういう感じの人物であるということは、餃子を台無しにするまでの描写からもわかるんですが、ああ本当にこういうカラッとした人なんだな、というのが、トライ&エラーの繰り返しを見ているとわかります。

“駈の死”を回避するために、カンナはタイムトラベルを繰り返すんだけど、そこにあんまり悲壮感がないんですよね。
カンナにとっての“過去の駈”、つまり15年前の出会った当時の駈と、トライ&エラーのたびにカンナは出会い直して一緒に行動するんですが、死別した夫の若い頃の姿に涙するとか、感極まってしまうとか、そういうのがないんですよ。

カンナの目的は「現在(未来)を変えること」で、そのことに集中していて、いわゆるお涙ちょうだい的な展開にまったくならないんです。

駈(松村北斗)との再会シーンに「お涙頂戴」がない理由

そもそもカンナは、駈の死を回避できるなら回避したいけど、駈とやり直したいと思っているわけではないんですよね。
死を回避して、予定通り離婚になっても、それはそれで予定通りだし、と思っているというか。

なんていうか、「事故という想定外の出来事によって、本来なら起こらないはずのこと(=駈の死)が起こったから、その事故を回避するために過去を変えようとする」という感じです。

誤解を恐れずに言うと、

「3年も待っていた餃子を台無しにしてしまったのは、駈の死で自分が多少なりとも落ち込んだりしていたせいだ。
離婚だけだったら、ここまで落ち込まなかった。
駈が死ななければ、そのまま普通に離婚して、自分のところに餃子が届いたときには落ち着いて調理ができただろう。
つまり駈が死ななければ、自分は餃子をおいしく食べることができたはずなんだ」

と思って行動しているんじゃないかなと思いました。

なにしろ、タイムトラベルのきっかけが、「餃子を焼く前に戻りたい、やり直したい」と強く思っていたことなので。
でも、映画を見ていくと、これが表面的な理由であることがわかってきます。

まあそうですよね。
強い思いがタイムトラベルという超常現象を引き起こしたのだと仮定すると、その“強い思い”が「餃子をおいしく食べたいから」だというのは、なかなかぶっ飛んでいます。
カンナは、そういうぶっ飛んだ考えが似合う人物ではありますが。

おそらくカンナも、自分の心の奥底に眠っていた思いに、気づいていなかったんだろうと思います。
トライ&エラーを繰り返すことで、カンナ自身と、そして映画を見ている私たち観客も、カンナの本当の想いに気づいていくのです。

本当は、何をやり直したかったのか。
過去に戻ることで、そのやり直しはできたのか?

この作品を見て、それを確かめてもらえたら嬉しいです。

映画『1ST KISS ファーストキス』の見どころ|タイムトラベルと音楽の融合

タイムリープが描く「やり直し(トライ&エラー)」の面白さ

この映画の一番のみどころは、ずばり「タイムトラベル」です。

予告や公式サイトの情報でわかることが、2つあります。

  • 「駈が死ぬ」という事実を変えるために、カンナが何度もタイムトラベルを繰り返す
  • タイムトラベルを繰り返した結果、「駈の死は回避できない」と知り、カンナは「自分たちが出会った」という事実そのものをなくしてしまおうと考える

「タイムトラベルもの」なので、タイムトラベルをした結果、同じようなシチュエーションでも全然違う経緯になったり、結果が違ったり、という、「繰り返しの物語」を楽しむことができます。
それがとても楽しく、面白く、切ないです。

W主演・松たか子と松村北斗の繊細な演技に注目

みどころはそれだけではありません。

主人公カンナを演じる松たか子さんは、どこかひょうひょうとしたユーモアを持った大人の女性を、自然体で表現しています。
この人ならこういう行動をするだろうな、という納得感を、観客に与えてくれるのです。

また、カンナの夫である駈を演じる松村北斗さんは、現在と過去という二つの時間軸での表情や言動を、繊細に演じ分けています。
この二人の深みのある演技によって、観客は物語の中へと引き込まれていくのです。

物語をドラマチックに盛り上げる岩崎太整の音楽

そして見逃せないのが、物語を彩る音楽です。
劇中音楽と主題歌の作曲・編曲を担当している岩崎太整さんは、細田守監督作品『竜とそばかすの姫』で日本アカデミー賞の最優秀音楽賞を受賞した実力派です。

今作では、松たか子さんと松村北斗さんが演じる二人の物語に寄り添うような、コミカルだったり温かかったり切なかったりする旋律を響かせています。
主題歌(エンディングテーマ)の作詞と歌唱を行う優河さんとタッグを組み、最後まで物語を包み込んでくれるのです。

まとめ|映画『1ST KISS ファーストキス』が問いかける「やり直す」ことの意味

世の中には、やり直せることと、やり直せないことがあります。

もし、タイムトラベルができたら、やり直すことはできるのか?
それとも、何をどうやっても、やり直すことはできないのか?

本作は、表面上は「餃子のために過去へ戻る」という突飛な設定から始まりますが、カンナが繰り返すタイムトラベル(トライ&エラー)を見届けるうちに、私たち観客も彼女の心の奥底に眠っていた「本当の想い」に気づかされていきます。

この物語を一言で表すなら「ラブストーリー」ですが、単なる恋愛映画の枠には収まりません。

やり直せるなら、やり直す?
やり直せないのなら、じゃあ、どうする?

その答えと言えるものが、この映画の中にあります。
カンナの辿り着いた結末を、ぜひご覧になってみてください。

【Amazonプライム・ビデオ(有料レンタル)】


ファーストキス 1ST KISS

『1ST KISS ファーストキス』配信・Blu-ray・DVD情報(20258月現在)

『1ST KISS ファーストキス』は、2025年7月23日からBlu-ray&DVDが発売・レンタル開始。
あわせて、各種配信サービスでもレンタル配信が始まっています。
※2025年8月現在、見放題プランでの配信はありません。

配信プラットフォーム一覧|Amazonプライム・U-NEXTほか

プラットフォーム視聴形式レンタル料金無料トライアルについて
U-NEXTレンタル399円
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※レンタル料は別途
DMM TVレンタル550円
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DVD&Blu-ray

 

3年待ちの人気餃子!映画に登場した餃子、『餃子屋はまだ』さん紹介

カンナが焦がして台無しにしてしまった餃子は、滋賀県草津市の『餃子屋はまだ』さんの餃子です。
→『餃子屋はまだ』さんの公式サイトはこちら(通販できます!)

先日、フェスに出店していた『餃子屋はまだ』さんの大葉餃子を食べました。
特製の酢をかけていただく餃子で、とてもおいしかったです。

映画の中で「3年待ち」と言われるだけのことはあるおいしさでした。
めちゃくちゃおすすめです!
※現在は「3年待つ」ことなく、すぐに届いて食べられます。

※楽天市場では、ふるさと納税の返礼品としての取り扱いもあります。
以下の「3種パックSセット(合計36個)」「3種食べ比べセット(合計75個)」のほかに、「12個入り(大葉餃子/生姜餃子/にんにく餃子)」「25個入り(大葉餃子/生姜餃子/にんにく餃子)」「3種×8個入り(合計24個)」など、いろんなセットが出品されているので、参考になさってください。

 

関連作品紹介:「時間をめぐる物語」と、「喪失と再生の物語」

本作が気になった方におすすめした映画が2つあります。
タイムリープを扱っている名作『アバウト・タイム』と、喪失と再生を描いた『楓』です。

『アバウト・タイム 愛おしい時間について』(2014年/イギリス)

人生をやり直す意味や、今日一日を大切に生きることの本質を教えてくれる、温かな物語です。

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『楓』(福士蒼汰・福原遥主演/2025年/日本)

スピッツの名曲を原案として映画化した『楓』。
大切な人を失ったあとの「その先の生き方」を優しく見つめた作品です。

→『楓』紹介記事はこちら

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